イギリスびっくりニュース!ピンクのドアで罰金340万円!?世界遺産に住むのも楽じゃない…

こんにちは。エディンバラのタコヤキです。
さて本日は最近のイギリスでびっくりしたニュースの紹介です。
先日エディンバラにある世界遺産の一つ、エディンバラ新市街の街歩きをした時の記事を書きました。
その記事の中で、エディンバラ新市街の建物は、ほとんどがジョージアン様式の建物で統一されているのに、建物の入口のドアの色は、赤や黄色のカラフルなドアも少なくなくてあまり統一されていないようなので、
ドアの色に関する規制はないのかな?
という自分の疑問に軽く触れましたが、昨日の地元のニュースでその答えが分かりました。
そのニュースを要約すると、エディンバラ新市街の住居用建物の一つのオーナーさんが、住居を改装した際に玄関のドアをピンクに塗られたのですが、その後しばらくすると、
エディンバラ • カウンシル (日本の市役所のような公共機関)から、
「ピンク色のドアは新市街の街並みにそぐわない」
というクレームと、
「ドアを別の色に塗り直して下さい」
というお願いがきたそうです。
そのオーナーさんは、カウンシルからのお願いを受け取った後に、ドアを塗り直すとカウンシルに返答したけれども、何色に変えようか決めかねている間に、カウンシルから、
「ドアを白色に塗り直しなさい」
という命令と、
「その命令に従わない場合は2万ポンド (約340万円)の罰金が課せられる可能性もある」
という警告が送られてきたようです。
自分の住居のドアをピンクに塗っただけで、罰金340万円を課せられる可能性もある、なんて市役所から警告を受けたらびびっちゃいますよね!
このオーナーさんが、このようなショッキングな警告をエディンバラカウンシルから受けたのは、イギリスの建物に関する規制が理由になります。
イギリスの建物の規制に関して簡単に解説すると、イギリスには Listed Buildings (日本の有形文化財のような扱いの建物)が沢山あり、住居として利用されている Listed Buildings も数多くあります。Listed Buildings に登録されている建物は、その建物が建てられた当時の造形をそのまま保つために、外装だけでなく内装まで厳しい規制があり、Listed Buildings の所有者には、建物の改装や修理の時に、その規制に従う義務があります。
エディンバラ新市街にある建物のほとんどが Listed Buildings に指定されているので、ピンク色のドアは Listed Buildings の規制に従っていないと判断され、その建物のオーナーさんが今回の警告を受けることになったわけです。
ちなみにエディンバラ新市街の建物のドアの色は、Dark or muted (暗い色か控えめな色)でなければいけない規則になっているそうです。
確かにピンク色は、暗い色では無いですし、控えめな色かと聞かれれば、回答するのが少し難しいです…
しかし、そのオーナーさんは今回のカウンシルからの警告に対して異議を申し立てられています。
オーナーさんは、
「エディンバラ新市街の建物には、ピンク以外にもカラフルな色のドアも少なくないこと」
や、
「ピンクのドアの前で沢山の人が写真を撮ったりしているので、ピンクのドアは人々に怒りやストレスよりも、喜びを与えている」
ことなどを異議の根拠としています。
このニュースは昨日はエディンバラのローカルニュースサイト、Edinburgh Live のみで取り上げられましたが、今日になってイギリスの全国紙でもある Daily Mail でも取り上げられていました。
https://www.edinburghlive.co.uk/news/edinburgh-news/edinburgh-mum-ordered-change-colour-25369241
Edinburgh Live、Daily Mail ともに日本のYahoo!のようにコメントが出来るので、いくつかのコメントを読んでみたところ、
「建物のオーナーが玄関のドアを自分の好きな色に塗るのの何が悪いのか」
というオーナーさんに賛同するコメントもあれば、
「Listed Buildings でしかも世界遺産の中に住むのだから、その規則に従うべきだ」
というカウンシル側に立つコメントもあったり、まさに賛否両論です。
自分は、このピンクのドアは非常にユニークですし、前を通ると写真を撮りたくなってしまう程素敵だと思います。エディンバラ新市街には、真っ赤なドアや黄色のドアもあるので、ピンクだけ厳しい目でみなくてもいいのでは、とオーナーさんの言い分も理解出来ます。
ただ、ユネスコ世界遺産にまで認定されたエディンバラ新市街の美しさは、現在までに規則を執行し続けてきたエディンバラカウンシルと、その規則を守り続けてきた建物のオーナーさんたちの努力の賜物でもあるので、その規則を徹底させたいというカウンシル側の言い分にも納得させられてしまいます。
非常に難しい問題ですが、このオーナーさんとエディンバラカウンシル双方ともに納得のいく解決方法が見つかると良いのですが…
このニュースに進展があったらまたここで報告しますね。
以上、「ピンクのドアで罰金340万円!?イギリスの世界遺産に住むのも楽じゃない…」でした。
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それではまた次回のブログで。